WTO協定集

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WTO加盟手続

 WTO加盟のためには、下記のフローチャートのように、多国間(マルチ)で行われる加盟議定書交渉と、二国間(バイ)で行われる市場アクセス交渉を妥結させる必要があります。

 マルチの交渉では、加盟申請国の貿易制度がWTO協定上の義務を満たすものであるかを審査し、満たしていない箇所については加盟までに是正することが求められます。バイの交渉では、WTO加盟国が各国の関心分野に関して、個々の物品に対する関税率や補助金の額、サービスの自由化の度合いがWTO加盟国にふさわしい水準になるよう、加盟申請国と個別に交渉を行います。

加盟申請
一般理事会が加盟作業部会を設置
↓          ↓
加盟議定書交渉
<多国間(マルチ)の交渉>
市場アクセス交渉
<二国間(バイ)の交渉>
申請国がメモランダムを提出
(自国の貿易制度を報告する)
申請国がオファーを提示
(自国の市場アクセス改善を提案する)
各加盟国が申請国に質問・要望を提出
(貿易制度の更なる改善を求める)
各加盟国が申請国に要望を提出
(市場アクセスの更なる改善を求める)
多国間交渉の実施
(作業部会会合を開催して行う)
二国間交渉の実施
(関心のある国が個別に交渉を行う)
加盟議定書及び作業部会報告書作成
(申請国は加盟後の貿易制度につき
 約束を行う)
加盟議定書附属書作成
(関税譲許表、サービス貿易自由化の
 約束表など)
↓          ↓
閣僚会議(又は一般理事会)による加盟承認
(加盟議定書及び附属書、ならびに作業部会報告書の採択)
加盟申請国は加盟議定書の受諾のため
国内手続をとり、受諾通知書を事務局長に寄託
受諾通知が事務局に接到して30日後に
WTO加盟国となる

 バイの交渉は個別に行われますが、ガットの最恵国待遇(ある国に対して有利な待遇を与えた場合は他のすべての国に対しても同様の待遇を与えなければならない)原則のため、交渉結果は全加盟国に適用されます。(たとえば日中交渉で中国が自動車の関税率引き下げを約束した場合、米国から中国に自動車を輸出する場合にも引き下げ後の関税率が適用されることになります。)

 したがって各加盟国は自国の関心分野に集中してバイ交渉を行えばよいことになります。(たとえば日中交渉で日本は羊毛の関税率引き下げを熱心に交渉しなくても、オーストラリアやニュージーランドがきっと熱心に交渉するでしょうし、その結果は日本にも適用されるからです。)加盟申請国とほとんど貿易を行っていない国には特にバイ交渉を行わない国もあるでしょう。

 こうして各加盟国は自国の関心分野において満足のいく成果が得られれば加盟申請国とのバイ交渉を妥結させます。関心を有するすべての加盟国がバイ交渉を妥結させれば、その交渉成果の集合体が加盟議定書の附属書となり、マルチの交渉成果である加盟議定書及び作業部会報告書とともに、閣僚会議又は一般理事会の採択に付されることになります。

※ 関連条文:世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(WTO設立協定)第十二条

※ WTO設立協定には「加盟」でなく「加入」という用語が用いられていますが、通常、国際機関には「加盟」する、条約には「加入」するという用語を用います。あなたが国際法の研究者でないならば「WTO協定(条約)に加入する」ことと「WTO(国際機関)に加盟する」ことは同じと考えて差し支えありません。

※ 以上の説明はWTO加盟手続を分かりやすくイメージするためのものであり、権威ある(法的地位のある、もしくは政府機関の了承を得た)文章ではありません。詳細かつ正確な手続を知りたい方はWTO事務局または日本政府の担当部局にお問い合わせ下さい。


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